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長崎地方裁判所 昭和52年(わ)60号 判決 1977年10月11日

本籍

長崎市諏訪町一六四番地

住居

長崎市諏訪町七番一〇号

株式会社長崎鼈甲会館代表者

釜崎久二

大正一〇年一月四日生

本店所在地

長崎市諏訪町七番一〇号

法人の名称

株式会社長崎鼈甲会館

代表者の住居

長崎市諏訪町七番一〇号

代表者の氏名

釜崎久二

被告事件名

所得税法違反、法人税法違反(被告人釜崎久二)

法人税法違反(被告株式会社長崎鼈甲会館)

出席検察官

中尾幸一

主文

被告人釜崎久二を懲役八月および罰金七〇〇万円に、

被告株式会社長崎鼈甲会館を罰金五〇〇万円に、

各処する。

被告人釜崎久二において右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

被告人釜崎久二に対し、この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

第一  被告人釜崎久二は、長崎市諏訪町七番一〇号において、べっ甲製品の製造販売を目的とする釜崎べっ甲製作所を経営していたものであるが、所得税を免れようと企て

一  昭和四八年分の総所得金額は、五八、八九七、六二一円で、これに対する所得税額は、三二、四六一、五〇〇円であるのにかかわらず、店頭の現金売上の一部を除外し、架空名義又は無記名の定期預金などに充当したほか、期末のたな卸商品、材料などを過少に計上するなどの方法により所得を秘匿したうえ、同四九年三月一五日同市魚の町六番一六号所在長崎税務署において、同税務署長に対し、昭和四八年分の総所得金額は四、一三四、二九三円であって、これに対する所得税額は六三四、七〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、所得税額三一、八二六、八〇〇円を免れ

二  同四九年分の総所得金額は二五、〇〇八、一三五円で、これに対する所得税額は、九、九五九、五〇〇円であるのにかかわらず、前記同様の方法により所得の一部を秘匿したうえ、同五〇年三月五日前記長崎税務署長に対し、同四九年分の総所得金額は五、七九〇、四〇七円であって、これに対する所得税額は九〇一、〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税九、〇五八、五〇〇円を免れ

第二  被告会社株式会社長崎鼈甲会館は、前記長崎市諏訪町七番一〇号に本店を置き、べっ甲製品の製造販売を目的とし、被告人釜崎久二は、被告会社の代表取締役として同社の業務全般を統括しているものであるが、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、同四九年七月一日から同五〇年六月三〇日までの事業年度において、所得金額は七三、五三九、〇四八円で、これに対する法人税額は二八、二三〇、四〇〇円であるのにかかわらず、前記同様の方法によりその所得を秘匿したうえ、同五〇年八月二九日前記長崎税務署において、同税務署長に対し、所得金額は九、七四九、四九二円で、これに対する法人税額は二、八〇一、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額二五、四二八、八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実につき

一、被告人釜崎久二の当公判廷における供述

一、被告人釜崎久二の検察官に対する各供述調書

一、被告人釜崎久二の大蔵事務官に対する質問てん末書(50・10・23付、50・11・7付、51・4・21付、51・5・15付、51・5・26付、51・6・16付、

一、飛永幸伸(50・10・21付)、釜崎ツユ(51・11・5付)、末吉富美子(51・11・5付)、観海安幸(51・11・5付)、岡村綱一郎(51・2・4付、51・5・21付)の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、釜崎ツユ(51・1・21付)、末吉富美子(52・2・14付)、釜崎桂子(52・1・29付)の検察官に対する各供述調書

一、大蔵事務官作成の臨検てん末書(50・10・21付)

一、大蔵事務官作成の現金預金有価証券等現在高確認書(50・10・21付)

一、大蔵事務官作成の差押てん末書(50・10・21付で証四九号とあるもの)

一、押収してある貸借関係書類一綴(昭和五二年押第三八号の4)売買契約証書五枚(同号の6)

一、大蔵事務官作成の差押てん末書(50・10・21付で証七七号とあるもの)

一、押収してある定期預金等明細帳一冊(同号の20)、印鑑三九四個(同号の23ないし25、27ないし33)

一、大蔵事務官作成の差押てん末書(50・10・21付で証一〇三号とあるもの)

一、押収してある仕入帳(同号の46)

判示第一の一、二の各事実につき

一、被告人釜崎久二の大蔵事務官に対する質問てん末書(50・10・24付、51・5・21付で証一二九号とあるもの)

一、宮崎博(51・4・22付)、飛永幸伸(51・4・21付)の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、若井寿男作成の確認書(50・11・6付)

一、若井寿男(51・3・25付)、松尾光幸(51・3・25付)作成の各証明書

一、飛永幸伸作成の上申書(51・4・21付)

一、大蔵事務官作成の査察官報告書(51・5・24付で証二〇号とあるもの)

一、検察事務官作成の「所得税の青色申告の承認取消通知書等の受領について」と題する書面

一、大蔵事務官作成の差押てん末書(50・10・21付で証六〇号とあるもの)

一、大蔵事務官作成の領置てん末書(50・10・22付で証六五号とあるもの)

一、押収してある昭和四八年分の所得税修正申告書一枚(同号の12)、同年分の所得税確定申告書一綴(同号の13)、昭和四九年分の所得税確定申告書一綴(同号の14)、同年分の所得税青色申告決算書一通(同号の15)、昭和四八年分の所得税青色申告決算書一通(同号の16)、昭和四九年元帳一冊(同号の17)

判示第一の一の事実につき

一、阿部長助(51・2・4付)、山本輝雄(51・2・5付)の大蔵事務官に対する質問てん末書

一、押収してある給料明細表一綴(同号の1)、不動産売買契約書二枚(同号の7)、不動産関係書類一綴(同号の8)、所得税源泉徴収簿一冊(同号の10)

判示第一の二の事実につき

一、松尾光幸(51・5・21付)、若井寿男(51・5・13付)作成の各証明書

一、松尾光幸作成の上申書(50・11・7付)

一、大蔵事務官作成の各査察官報告書(51・9・21付、51・10・8付)

一、押収してある地方税通知書兼領収書一綴(同号の2)、税金関係書類一綴(同号の9)

一、大蔵事務官作成の差押てん末書(50・10・21付で証六三号とあるもの)

一、押収してある棚卸表一綴(同号の11)

判示第二の事実につき

一、被告人釜崎久二作成の各上申書および確認書

一、被告人釜崎久二の大蔵事務官に対する質問てん末書(51・5・14付)

一、若井寿男(51・3・18付)、桑原純一(51・3・18付二通)、松尾光幸(51・3・18付)作成の各証明書

一、飛永幸伸(50・10・21付、51・3・25付)、末吉富美子(51・5・13付)、観海サキエ(51・5・13付)、井原清水(51・2・5付)、菊地大吉(51・1・21)、埜中賢一郎(51・2・5付)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、大蔵事務官作成の調査報告書(51・9・20付)

一、飛永幸伸(51・3・25付)、桃原幸雄(51・1・13付)作成の各上申書

一、大蔵事務官作成の各在庫品現在高確認書(50・10・21付、50・10・22付二通)

一、大蔵事務官作成の査察官報告書(51・5・24付で証四三号とあるもの)

一、検察事務官作成の「青色申告の承認申請の取消決議書等の受領について」と題する書面

一、登記官作成の登記簿謄本

一、押収してある納品書一枚(同号の3)、領収書三枚(同号の5)、受渡計算書(同号の26)

一、大蔵事務官作成の差押てん末書(50・10・21付で証七三号とあるもの、同九五号とあるもの、同一〇三号とあるもの

一、大蔵事務官作成の領置てん末書(50・10・22付で証一一一号とあるもの)

一、押収してある売掛金、仕入帳一冊(同号の18)、総勘定元帳一冊(同号の34)、現金出納帳一冊(同号の35)、棚卸表一冊(同号の37)、修正伝票一綴(同号38)、計算メモ一枚(同号の42)、領収証八枚(同号の43)、請求書など一綴(同号の44)、小型ノート一冊(同号の45)、法人税確定申告書一綴(同号の47)、青色申告の承認申請書一枚(同号の48)

判示第一の二、第二の各事実につき

一、被告人釜崎久二の大蔵事務官に対する質問てん末書(51・5・21付で証一三〇号とあるもの)

一、押収してある売上帳一冊(同号の19)、手帳一冊(同号の22)、試算表一冊(同号の36)、同通帳一冊(同号の40)、入金帳(同号の41)

(法令の適用)

被告人釜崎久二の判示第一の一、二の各所為

所得税法二三八条一項(いずれも懲役刑、罰金刑の併科刑選択)

被告人釜崎久二の判示第二の所為

法人税法一五九条一項(懲役刑選択)

被告会社の判示第二の所為

同法一六四条一項(一五九条一項)

併合罪加重(被告人釜崎久二)

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(懲役刑につき犯情の最も重い判示第一の二の罪の刑に加重)、四八条二項(判示第一の一、二の各罰金額を合算)

労役場留置(被告人釜崎久二)

同法一八条

執行猶予(被告人釜崎久二)

同法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 那須彰)

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